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シネマの時間 年末スペシャル

CINEMA AWARD 2018

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もう年末!?という感じで毎年この時期が来ると去年の年末スペシャルからもう一年も経ったのかと驚く。毎年たくさんの映画を見ているのにまだまだ新しいものが、見たことも無いようなものが出てくるという楽しさ。映画って本当にいいものですね、とかつて著名な映画評論家の方がおっしゃってましたね。というわけで今年もごく私的な基準で勝手に賞をあげちゃいます。(映画ライター ケン坊)

最高作品賞 もっとも「いい!」と感じた作品

ⓒ2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

『グレイテスト・ショーマン』
名曲ぞろいのミュージカル映画。ウルヴァリンで有名なヒュー・ジャックマンが歌って踊るのを見られる。ストーリーはよくありそうなちょっといい話で、ともすると「またか」と思いがちだが実は主人公P・T・バーナムは実在の人物。これは伝記映画でもあるのだ。世間から爪弾きにされている人たちが多様な才能を発揮するショーは『SING/シング』を思い出す。そういえば『アナと雪の女王』のエルサもありのままの自分ということを言っていた。そういう意味であまり新しさのある作品ではないが、いい歌がたくさんあり、一流のパフォーマンスが見られる。まさにグレイテストなショーに仕上がっているのだ。

予測不能賞 もっとも展開が読めなかった作品

ⓒ2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『レッド・スパロー』
「意外な展開」というのは映画の売り文句としてよく使われるけれど、「意外」と言ってしまったがゆえに想像できてしまう、ということがままある。ましてスパイなんて人を欺く仕事だもの、思ったのと違う方へ行くのだから先なんか逆に読みやすいよね。

たしかに多くのスパイものは、それがスパイものであるからこそ入り組んだ展開が読めてしまうということがある。しかし『レッド・スパロー』は裏の裏の裏の裏ぐらいまでかいてくる。観客が先読みしながら見ていることを見越してさらに二枚ぐらい上を行くのだ。心地よい裏切られ感が秀逸。

注目俳優賞 もっとも印象に残った俳優

ⓒ2018映画「恋は雨上がりのように」製作委員会
ⓒ2014 眉月じゅん/小学館

小松 奈々
『恋は雨上がりのように』『来る』

『恋は雨上がりのように』でちょっと陰のある割とピュアな女子高生の役を演じた小松奈々。その記憶が冷めないうちに『来る』ではタトゥーだらけのキャバ嬢を演じていた。その芝居があまりにも強烈で、これほんとに小松奈々なの?と見ながら何度も認識をアップデートする必要があった。

なお、『来る』では『散り椿』で凛とした侍を演じた岡田准一、『日日是好日』で茶道に生きる道を見つける女性を演じた黒木華をはじめ柴田理恵や松たか子等も他の作品とはだいぶ印象の異なる芝居を見せていた。そう考えると『来る』を中心にその出演者たちの他の作品を追ってみると面白いかもしれない。

話題作品賞 もっとも話題になった作品

ⓒENBUゼミナール

『カメラを止めるな』
文句なしに今年一番の話題作。正直なところこれほどの話題作をいまさら話題にするのもなんだか芸が無いような気もしたのだけれど、それでもやはり今年この作品に触れないわけにはいくまい。これは映画を作る人たちの映画を作る人たちの映画だ。俳優は芝居をしている人の芝居をする。芝居があまりうまくないという芝居をし、芝居が芝居でなくなっていくという芝居をしている。もう何を言っているのか自分でもよくわからない。アイデアそれ自体ではないところにこの作品の面白さはある。エンディングではこの作品のメイキング映像が流れる。映画を作る人の映画を作る人の映画を作っている人たちが映し出される。僕らはいったい何を見ているのだろう。

斬新映像賞 もっとも映像的に新しい感覚だった作品

ⓒ2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

『レディ・プレイヤー1』
VR(仮想現実)ゲームの世界を描いた作品で、実写ベースの現実世界とフルCGのゲーム世界が行き来する。作中の現実世界は2045年を舞台にしていて、今の我々から見るとこれもまた現実ではない。現実っぽい映像と現実っぽくない映像が入り混じっていて、全体として今の我々の現実ではない世界を描いている。現実とはいったいなんだという気がしてくる。しかし映像でこういう新しい感覚をもたらしながらストーリーとして結局主人公がリア充(現実が充実している状態)になり、「やっぱり現実が大事」みたいなところに着地してしまうのが残念。アバター同士で恋愛して「もう仮想世界だけでいいんじゃない?」という結末だったらこれが今年のベストだった。

驚愕結末賞 もっとも驚きの結末を迎える作品

ⓒMarvel Studios 2018

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
「驚きの結末」というのも「意外な展開」と並んでよく使われる売り文句だ。その驚きはだいたい心地良いもののはずで、そうでないと売りにならない。しかし『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の結末がもたらす衝撃はそういう方向ではない。「え?ここで終わり?マジで?」という驚きに満ちているのだ。そうかインフィニティ(無限)なんだ、終わらないんだ、ということを思い出す。こんな風にしてしまってどうやって回収するのだろう。ものすごく尻切れトンボな終わり方をするのでこれを見てしまったら次回作を見ずにはいられまい。もちろんその周辺の作品、特にドクターストレンジの次回作なども見逃せない。あれ、これ作り手の思う壺では?

問題作品賞 もっとも考えさせられた作品

ⓒTwentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』
ベトナム戦争の頃、政府によって隠されていた情報を盗み出して新聞に掲載するために命がけで挑んだ人々の物語。つまりは言論の自由のために戦う人々を描いていて、新聞が人々の知る権利を守る、メディアが人民の武器になるということが描かれている。この作品の世界から時代が下り、今はソーシャルメディアによって個人が発信源になり得る。しかしそこで発せられた情報を個人の集合体が弾圧する。言論統制は人民による弾圧という形に変化し、言論の自由は却って損なわれたという見方もできる。この作品は何十年も前の出来事を描いていながら2018年まさに現在進行中の問題に目を向けさせる。派手さは無いが見終えて去来するものは決して小さくない。

残念作品賞 もっとも期待外れだった作品

ⓒ2017 SONY PICTURES ENTERTAINMENT (JAPAN) INC. ALL RIGHTS RESERVED.

『ダークタワー』
スティーブン・キングの超大作小説「ダークタワー」。その映画化作品が来るということで大いに期待するとともに、あの長大な作品をどういう風に映画化するのだろう、まさかテキトーに端折るんではあるまいな、という不安もあった。そしてその不安の方が的中した。しょーもないアイデアのショボいファンタジー映画みたいになっていて、こんなんでいいのかという思いがぬぐえない。売れたら続編をやるというつもりなのかもしれないが、今回の展開を見るともはや原作に寄せることは難しく、取ってつけたみたいな続編になるのは避けられまい。映画しか知らないという人はぜひ原作も手に取ってほしい。文庫で14冊にもなるのであまり気軽ではないけれど。

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